お菓子=太る(体に良くない)というイメージが定着していますが、正しい間食(ヘルシースナッキング)はむしろ身体に良いとも言われています。
今回は健康的な間食である、ヘルシースナッキングの方法を解説します。
間食をするほうが肥満になりにくい?
「朝ご飯を抜くと太る」なんてことを聞かれたことがある人もいらっしゃるかもしれませんが、実は欠食せず、逆に1日に食べる回数が多い(頻回食)人のほうが肥満度(体格指数と言って身長と体重の比率を現した数値)が低いという研究報告があるんです。
そのメカニズムは?
人は食事をすると膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、細胞や筋肉に栄養を取り入れますが、欠食し、身体が飢餓の状態になっている時に次の食事で栄養が急激に体内に取り込まれるとインスリンが大量に分泌されます。
そこで、利用し切れなかった栄養は脂肪組織に変えられるのです。
そして、大量に分泌されてしまったインスリンの影響で血糖値が下がりやすく(軽く低血糖の状態)、空腹感が強くなってドカ食いする・・・・という悪循環につながります。
身体がこのサイクルに慣れてしまうと筋肉や細胞でエネルギーを使う力が弱くなって、脂肪組織に変わりやすい(太りやすい)状態なるので、きちんと3食食べるか頻回食のパターンに変えて、インスリンが大量に分泌されない体質に変えていく必要があります。
ただ、1日に何度も少量ずつ食事を作って食べるというのは非現実で、取り入れにくい方法ですよね。
そこで、お勧めしたいのが、3食をやや軽めにし、間食を2~3回加えるといった形の分食です。
ヘルシースナッキング(正しい間食)は一度の食事でドカ食いをしてしまうことを防ぎ、インスリンを大量分泌させないことですが、間食のとりかたによっては悪い効果も引き起こしてしまいかねません。
正しいスナッキングの方法をきちんと理解することが大切です。
食品は多く含まれる栄養素によって血糖値の上昇速度が異なります。
前章で述べたように急激に血糖値が上昇する食品は望ましくありません。単糖類や少糖類といってブドウ糖や上白糖は吸収が早く血糖値が急昇しやすいのでお勧めできません。
たんぱく質や脂質や食物繊維は比較的緩やかに上昇します。
緩やかに血糖が上昇する食品は胃の中の停滞時間が長く、空腹感が抑えられます。
また、歯ごたえのある食品は噛むことで脳の満腹中枢を刺激するので早く満足感が得られます。
正しいヘルシースナッキングの方法は?
①栄養素を考えてお菓子を選ぶこと。血糖値の上昇速度に留意した食品選びが大切です。
②いくらヘルシーでも食べ過ぎは禁物。厚生労働省と農林水産省が共同で策定したバランスガイドコマでも間食(コマのひも)は1日100~200キロカロリーが望ましいとされているので目安にすると良いでしょう。
③空腹感が強くなりすぎて、ドカ食いをしないよう時間を決めておくのが基本です。また、20時以降の飲食は脂肪を蓄えやすくなることから摂取は控えましょうね。
ヘルシースナッキングに向いているお菓子
消化吸収に時間がかかり、噛みごたえもあって、満足感も得られるお菓子はナッツ、ドライフルーツ、豆類、ヨーグルト、さつま芋で、ヘルシースナッキング向きと言えます。
このようにヘルシースナッキングについて正しい知識で取り入れると健康にも良いことが分かりますよね。
三食では不足しがちな栄養素を補う目的でも利用できますし、是非上手にヘルシースナッキングを実践してみてください。