食の先進国アメリカで、「グルテンフリー」の次にブームの兆しをみせているもの。それは、「シュガーフリー」です。成人国民の3人に1人が深刻な肥満に悩まされているアメリカでは、多くの国民が白い砂糖の代用品としてヘルシーな甘味料を常に探し求めています。今回は、そもそも砂糖を摂取することの何がいけないのか?そしてなぜアメリカで「シュガーフリー」ブームが起きているのか?解説していきます。
砂糖を摂ると、カラダにはどんな悪影響があるの?
「砂糖」そのものは、主にサトウキビやビート(大根)から作られていることが多く、原料そのものには栄養素が豊富に含まれています。しかし、砂糖を作る過程である「精製」を経る中で、大切な栄養素が奪われ、自然界には存在しない、有害な添加物へと変貌を遂げます。一般に、キビ糖や甜菜糖は白砂糖より健康効果が高いと言われていますが、その中で白砂糖は、以下の危険があるとも言われています。
低血糖症や副腎疲労による慢性的な疲労感のもとになる可能性がある
→午後に一気に疲労に襲われたり眠くなったりする理由は、砂糖で急激に血糖値をあげたカラダがまた急激に温度が下がり、カラダが低血糖症となるからです。
カンジダ・アルビカンス菌など、体の日和見菌・悪玉菌の餌となる可能性がある
→腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌といった菌が存在しますが、特にカンジダ・アルビカンス菌は砂糖が大好きで、この菌が繁殖すると、皮膚のかゆみなどの原因になります。
「生体内糖化反応」を起こし、体の細胞を老化させる可能性がある
→糖化反応とは、フルクトースやグルコースなどの糖が酵素の働きなしにタンパク質または脂質に結合する反応を表します。「生体内糖化反応」では主にフルクトースやグルコースなどの糖と体の中のタンパク質や脂質と結合します。その結果、細胞を酸化させる物質を生じ、細胞の老化を進めたり、DNAを傷つけたりすると言われています。この反応は沢山の病気に関わっていると言われています。
虫歯になりやすくなる
→虫歯の原因は、糖です。色んな歯のケア、プラークコントロールを頑張っても、糖を摂りすぎるとケアが全く意味をなしません。
ガン細胞の栄養になる
→実はガン細胞は糖が大好きです。正常の細胞の何倍もの糖類を取り込んで行くそうです。
白砂糖の危険性、ご理解頂けましたでしょうか?日常の中から、少しでも意識して白砂糖を少なくすると、それだけで健康効果が高まるとも言われています。まずは、少しずつきび糖や甜菜糖に変えてみてはいかがでしょうか?
シュガーフリーの前に…砂糖に関する表記の違いって?
「無糖」「糖分ゼロ」「ノンシュガー」「シュガーレス」「砂糖不使用」。様々な砂糖に関する表記には、少しずつ違いがあります。どれも同じ意味で、どれも太りそうにない、ダイエットにぴったり!といったイメージが強いかと思いますが、これらの意味は全くの別物で、そして、全て砂糖はゼロではありません。
まず「シュガーレス」は、「シュガー」というのは糖分のことを指し、砂糖はもちろん、ブドウ糖や果糖の含有量が100グラム中0.5グラム未満(飲料なら100ml中0.5グラム未満)の時、表示することが出来ます。甘味が無いというわけではなく、基準に無い糖類や甘味料は使えるため、糖アルコールやステビアが甘味として使われることが多いです。ちなみに無糖、糖分ゼロ、ノンシュガーも同様の意味で使われています。
一方「砂糖不使用」は、加工の過程で”砂糖”そのものを使っていないという意味で、砂糖を含む原材料(果汁など)や砂糖以外の糖類(ブドウ糖など)を使っていても「砂糖不使用」と表示することが出来ます。
「シュガーフリー」がいい理由は?
今、アメリカで「シュガーフリー」食品は、砂糖を使わないだけではなく、自然由来の糖分を摂取し、より健康を増進させていく効果があるものに注目が集まっています。その中で、特にモンクフルーツは主成分が「羅漢果(ラカンカ)配糖体」で、ブドウ糖、砂糖と比べても400倍もの甘さがあります。強烈に甘いのにカロリーはほぼないことが魅力で、その上、食べても急激に血糖値が上がることもないことから、ダイエット効果を求めるアメリカ人からとても人気が高まっています。
その他にも、モンクフルーツには、
・高血圧・糖尿病の方も安心して摂取可能
・活性酸素(ストレス)消去作用
・糖分の摂取制限不要(より積極的に摂ることでダイエット効果あり)
・善玉菌を活性化・・・便通改善
・抗ストレス作用(活性酸素消去)
・抗アレルギー作用
・解熱作用
・消炎作用(ノドの痛み・咳)
といった効果があります。
日本でも、いくつか羅漢果(ラカンカ)を用いた製品はすでに販売されています。店頭やオンラインで手軽に購入でき、様々なお料理やお菓子にも使うことができるので、白砂糖から変更してみると、思いもよらない健康効果が得られるかもしれません。
最後に…
一般に「アメリカの健康市場で流行したことは、5年後に日本に入ってくる」と言われています。「シュガーフリー」がアメリカで急速に流行している現在、日本でも「シュガーフリー」と言う言葉を、至るところで聞く日はそう遠くないかもしれませんね。毎日少しでも、砂糖の摂取について考えるきっかけとなりましたら嬉しいです。